一病息災とは、
ちょっとした病気持ちのほうが、かえって、からだに注意するので、むしろ健康な人よりも長生きする。という意味ですが、いっぽうで無病息災、ということばもあります。
文字通り、病気もせず、元気である。
という単純明快。
もともとは仏教用語であるらしい。
もっと深い意味がありそうですが、それはさておき、いまのぼくは、まさに「一病息災」に属します。
もう7,8年、前立腺肥大症を抱えて暮らしているからです。
激痛と共に血尿が出て、あわてて病院に駆けこんだときは、
受付の窓口で病状を告げる声が弱々しく、かすれ、自分でも恥ずかしくなるほど、うろたえてしまいました。
エコー検査の結果、前立腺肥大症と診断されました。
幸い、薬のおかげで、すぐに痛みも出血も治まり、大事なく、現在に至っています。
この病気は、薬を飲みつづけるしかなく、
完治することはないようです。
たしかに、現状維時であれば、
日常生活に支障を及ぼすことは、それほどありません。
いつもこの病気のことは頭のどこかにあるのですが、いまではすっかり慣れてしまって、「それはそれとして、こっちへ置いといて」
というように気持ちの切り替えができるようになっています。
では、健康にひと一倍、気をつかっているのか、というと、そうでもありません。
普通にしています。
普通にしているつもりです。
でも、やっぱり、どこかで、気にしているのも事実。
からだに、ちょっとした違和感を抱くとき、
ふと、いやなことが脳裏を駆けめぐったりします。
そのうち忘れてしまいますが。
持病とは、そういうものなのでしょう。
喉に刺さった小さなトゲのように、忘れたころに消えてくれたらいいです。
そう願っています。